2005年12月1日木曜日

栃木小1女児誘拐殺人事件(2016.4.21更新)

栃木小1女児誘拐殺人事件


吉田有希ちゃん(当時7歳)


2005年12月1日午後2時ころ、栃木県今市市(現:日光市)で
小学1年生の女児が下校途中友だち3人と別れた後、行方不明となった。

翌日の2005年12月2日午後2時ころ、
約65km離れた茨城県常陸大宮市三美のヒノキ山林で
裸の遺体が発見された。

遺体は胸付近を十数箇所刺されており、
髪に粘着テープ片が付着していた。

遺棄現場にはランドセルなどの遺留品はなかった。
いづれかの場所で殺害後、この場所に遺棄されたものとみられている。



■捜査
栃木県・茨城県の合同捜査本部が立ち上がった。

遺体周辺から採取されたDNAを鑑定した結果、
家族以外の複数のDNA型が検出された。
そのうちのひとつは栃木県警察の元捜査幹部のものであった。
コンタミネーション(混濁汚染)とみられている。

懸賞金 上限500万円(うち捜査特別報奨金が上限300万円)

■新たな供述
別事件で逮捕・勾留されている栃木県鹿沼市の30歳代男性が、
本件犯行をほのめかす供述をしていることが、
2014年(平成26年)4月16日、
捜査関係者への取材で明らかになった。

供述内容はあいまいで、捜査本部は慎重に裏付け捜査を進めている。

商標法違反(偽ブランド商品を販売目的で所持した疑い)で
2014年(平成26年)1月29日逮捕、同年2月18日起訴。

■犯人逮捕
2014年(平成26年)6月3日、
勝又拓哉(32歳、無職,栃木県鹿沼市在住)を殺人容疑で逮捕。

被疑者のtwitterID
https://twitter.com/takuyaToT

■追起訴
銃刀法違反容疑でも追起訴。

■公判前整理手続き
公判前整理手続きが行われ,

■初公判
殺人事件について初公判が宇都宮地裁(裁判長:松原里美)にて開かれた。
起訴状によると,
「被告人は,平成27年12月2日午前4時頃,
 茨城県常陸大宮市の林道で,有希ちゃんの胸をナイフで多数回刺し,
 失血死させた」
とされる。

被告人は,罪状認否で「殺してません」と述べ,無罪を主張した。
当初,殺人を認める自白調書に署名していたが,「『人を殺したことあるでしょ』となんども聞かれてパニックになり,供述調書にサインした」と述べた。

また,被告人質問において,弁護側の質問に対し,被告人は
「気がついたら,後ろの看守が肩を揺さぶり,
 『調書にサインしろ』と言い,訳も分からずサインした。」
と供述した。

<検察側の主張>
①自白調書には信用性が高く重要な証拠である
②被告人には連れ去り現場と 遺体が発見された現場のいづれにも土地鑑がある
③遺体に付着していた猫の毛が,被告人が飼っていた猫のものと矛盾しない
④被告人が母親に宛てた手紙の内容
 2014年2月母親に宛てた手紙
「自分が引き起こした事件で迷惑をかけてしまい,本当にごめんなさい」



<弁護側の主張>
①自白は強要されたものにすぎない
②遺体の胃の内容物などから推定される死亡推定時刻が供述と異なる
③大量の出血があったはずの現場に血液がほとんどなかった
④猫の毛は矛盾しないだけで,同一ではない

<母親に謝罪する手紙について>
手紙の意図について,弁護人から問われると,被告人は,
「やっていない殺人の調書にサインをしてしまい,みんなに迷惑をかけてごめんなさい,ということです」などと供述した。

被告人は「最初に書いた手紙を看守に黒塗りにされ、書き直しをさせられた」
何度も書き直しをさせられるうちに「意味の通らない文章になった」と供述した。

また,検察官に書き直しをさせた看守は誰かと問われると,被告人は
「班長と呼ばれていた人。名前は分からない」と供述した。

審理は3月22日までの15日間で,
すでに有罪判決が出ている商標法違反と銃刀法違反の
量刑を含め,判決は3月31日。

■判決日の延期
2016年(平成28年)3月29日,
判決の言い渡しを「4月8日午後3時」に延期することが決定された。

■判決
2016年(平成28年)4月8日,
宇都宮地裁は,勝又拓哉被告に求刑どおり無期懲役を言い渡した。
松原裁判長は,最大の争点になった自白の信用性について,
「実際に体験した者にしか語ることのできない,
 具体的で迫真性に富んだ内容」
と指摘した。

0 件のコメント:

コメントを投稿